ベッドの耐荷重の目安と6つの注意すべきシーン

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ベッドの耐荷重が気になっていないでしょうか。

耐荷重80kgとなっていれば、大柄な人は怖い思いをしながら寝なければいけません。
また、ベッドは何も寝るだけの場所ではなく、座ったりカップルでいちゃついたり…。

そこでここでは、ベッドにおける耐荷重や耐久性について考えてみようと思います。

ベッドの耐荷重の目安

ベッドの耐荷重の目安

qimono / Pixabay

いろんなベッドがあり、いろんな体型の人がいるため、当然、ベッドの耐荷重もいろいろです。
ただ、目安は次のような感じが基本になります。

シングル・セミダブル(一人用)80~100kg
ダブル・クイーン(二人用)200kg

一人当たりの体重を最大100kgくらいで計算し、寝る人数に合わせて強度が出るように作るといった具合ですね。
これ以上だと丈夫、以下だと華奢なベッドと言えそうです。

ベッドの耐荷重とは

ベッドの耐荷重とは

ベッドには大抵「耐荷重○○kg」という表記がなされていますよね。
単純にそれ以上重い負荷をかけると壊れますよというメッセージに感じますが、実はそこまで簡単なことではありません

それを簡単に理解するには、あなたがベッドを作っている人になりきることです。

ベッドが壊れて怪我をした!

と言われるのが、メーカーとしては最も怖い事なんですね。
最悪の場合、裁判や慰謝料の請求などが起こり、公になればメーカーは存続することができません。
誰だって壊れてケガをする可能性のあるベッドでは寝たくないですから。

ではその責任をメーカーが追わないようにするにはどうすればいいでしょうか。
そこで耐荷重の表記が大事になってきます。

もちろん簡単に壊れることなく、普通に使えるベッドを作ってるメーカーでの話ですよ。
詐欺のようなベッドではありません。

耐荷重は上限値ではない

このように考えれば、耐荷重が上限値ではないことが分かりますよね。
あくまでもメーカーが保証できる重さであって、少しでも超えれば壊れるという基準ではありません。
ただの耐久性の一つの目安です。

むしろ考え方としては

耐荷重以下では100%に近い確率で壊れません

という基準と考えたほうがいいかもしれませんよね。
メーカー側が検査して出している数字なので、耐荷重を守って壊れれば大きな痛手になりますから。
自分たちを守るために、ほぼ壊れない重さを提示している感じですね。

geralt / Pixabay

例えば150kgの負荷をかけて壊れたベッドなら「耐荷重150kg」とはせず、あえて「100kg」にするということですね。
寝返りなど若干の誤差などを考えれば、ギリギリにするとメーカーにとってはいいことありません。

ただし低すぎると、単に「耐久性の低いベッド」になり売れないので、その辺りを考えベストな数字をはじき出しているのでしょう。
ぼくのお店で扱っているベッドでは、半分の数値にしているのが多いようです。
試験で200kgまで耐えることができたなら、耐荷重の表記は100kgといった具合ですね。

また、物には個体値があるので、必ずしも試験で使われたものと全く同じ強度になる保証はありません
そういったバラつきも考慮しているため、耐荷重を超えたらすぐに壊れるというものではないというわけですね。

⇒参考:製品・部品の強度について/新潟県工業技術総合研究所

耐荷重を気にすべき場面

大柄な人は、耐荷重が高めのベッドを選ぶべきです。
これは間違いありません。
ベッドの強度の目安として考えるべきです。

でも世の中にはいろんなベッドがありますよね。
仮に耐荷重をオーバーしても、即壊れるということはあまりなく、キシミや歪み・変形など壊れる兆候が出た後に破損という流れになります。

そんな中で、特に耐荷重を気にすべきなのは次のような場合です。

  1. ロフトベッド
  2. 二段ベッド
  3. パイプベッド
  4. すのこベッド
  5. 折りたたみベッド
  6. シングルで二人寝ている

ざっくりとした一覧表と、以下で詳細を紹介します。

【各ベッドの耐久性の目安】

耐荷重推奨体重寿命処分方法
ロフトベッド100kg前後80kgくらいまできしみ音が改善されない
昇降が大変に感じてきた
耐震性を優先する場合
分解して大型ごみ
鉄くず回収業者
二段ベッド各段80~100kg各段65~70kgくらいまできしみ音が改善されない
すのこが割れた
体が大きくなった
分解して大型ごみ
リサイクル店
パイプベッド90~100kg80kgくらいまできしみ音が改善されない
ネジを締めてもガタつく
分解して大型ごみ
鉄くず回収業者
すのこベッド100~120kg90kgくらいまできしみ音が改善されない
すのこが割れた
カビが取れない
分解して大型ごみ
切り刻んで燃やせるゴミ
折りたたみベッド100kg前後80~90kgくらいまでキャスターが壊れた
折りたたみ部分が壊れた
コイルマットレスで寝たい場合
分解して大型ごみ
リサイクル店

※様々な耐荷重のベッドがあるため、大雑把な目安です。
※より安心したい人は、推奨体重をもう少し減らして考えるのがおすすめです。

1.ロフトベッド

ロフトベッド

ロフトベッド自体の耐久性や強度に問題があって、すぐに壊れるというわけではありません。
セミダブルだからといってカップルで2人で寝るなど、耐荷重を超えた使い方をするのは、高さがあるだけにとても怖いことだということです。

多くの場合、耐荷重は100kg前後。
一人の場合は、体重80kgくらいまでを目安にするのがおすすめ
寝返りや昇降時を考えると、体重だけの重さ以上に荷重がかかることもあるので、少し余裕を持っておきたいところです。

2.二段ベッド

二段ベッド

二段ベッドの場合は、上段の床板が破損し「底抜け」状態になると危険
上で寝ている人も、下で寝ている人も危ないですよね。
反対に、下段の床板が壊れても大きなケガにはなりません。

子供向けに作られたものだと、耐荷重80kgくらいの二段ベッドも珍しくありません。
耐荷重を覚えているいるなら体重制限もイメージしやすいですが、分からない場合は、各段70kgくらいに考えておいた方がいいかもしれません。

壊れるとしたら、すのこ状の床板が多いので、荷重が一点に集中しにくいよう「薄型のコイルマットレス」を合わせるのもおすすめ。
ただ耐久年数は昔より長くなっているはずです。
上下を分割して使えるタイプが主流なので、長く使えないとメーカーに苦情が入っちゃいますから。

【子供の友達に注意!】
子供は「教えたがり」なので、自慢の二段ベッドに友達を4人5人と乗せてしまい、床板が壊れた…ということも聞いたことがあります。
友達がいっぱい遊びに来たときは、要注意。
寿命で壊れるならまだしも、買って間もなくだとショックは大きいです…。

3.パイプベッド

パイプベッド

パイプベッドは軽量で、長く使う「耐久性」はありますが、耐荷重は低め。
瞬間的な強度は、そこまで高くはありません。
メッシュ状の床板と細いフレームは、見た目にも頑丈そうには見えませんよね。

特にソファのように使うと、2~3人の体重がかかる可能性も。
価格も安い物が多く、あまり大柄な人には向いているベッドとは言えません。

支柱を太くしたり、メッシュ床板のサポート本数を増やすことで、丈夫に作られたタイプもあります。
耐荷重をしっかり守っていれば、パイプ製だけに寿命は長いタイプですよ。

4.すのこベッド

すのこベッド

すのこベッドは、通気性を良くするために耐久性が犠牲に。
体重が一点に集中しないよう、スプリングマットレスを使うのが基本です。
すのこ全体に荷重が分散するので、すのこが一枚だけ折れるということがなくなります。

耐荷重は100kg前後あるのが普通なので、特別壊れやすいベッドと言うわけではありません

すのこの上に敷き布団を敷いて寝る場合は、「敷布団が使えるすのこベッド」を選ぶ必要があります。
布団でも使える丈夫なすのこになっていますよ。

敷き布団が使えるベッド

5.折りたたみベッド

折りたたみベッド

折りたたみベッドの耐荷重は、やや低め。
とは言え、ふつう体型の人ならなんら不便なく使うことができます。

寝ることよりも耐久性に影響するのが「頻繁に折りたたむこと」です。
折りたたむ箇所の部品やキャスターへの負担が大きくなるので、体重をかけて寝ることよりも、実は負担が大きくなりやすいと言えます。

毎日のように折りたたむのを避け、必要な時だけに控えることも、長く使うポイントと言えそうです。

6.シングルで二人寝ている

シングルで二人寝ている

元々一人で寝るのに使っていたベッドに、同棲をきっかけに二人で寝ているというパターンも少なくないはず。
狭いのは当然ですが、それを承知で二人で寝る場合、耐荷重を大きくオーバーしている可能性もあります。

多少ならそう簡単には壊れませんが、40kgも50kgもオーバーしては、壊れてもなんら不思議ではありません
カップルなら夜の営みもあることでしょう。
途中で「バキッ」とか「ボキッ」とかならないよう、寝床をしっかり考えるのがおすすめです。

余裕で二人寝できる高耐荷重なすのこベッド

まとめ

ベッドにおける耐荷重は、ベッドの耐久性の上限値ではなく、ほぼ100%壊れない下限値と考えるほうが自然。
なので少しオーバーしたからって、即「壊れる」ということはありません。
「もし壊れても誰も責任はとりません、自己責任でお願いします」という基準値が耐荷重ということですね。

もしオーバーする場合、万が一壊れてもケガがなさそうならトライするのもアリ。
ロフトベッドなど、危険やリスクがあるならやめる、というのが賢明ではないでしょうか。

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